「なにしにきたの」/ホロウ・シカエルボク
ただただ夜が
石畳のうえで時を数えていた
ささやき声のような星が
いくつか浮かんでいた薄曇りの零時
駆け抜けて行ったモーターバイクが
どんな行先を目指しているか賭けてみる?
数分間に一回
点滅をしている街灯の近くのフードショップ
の
軒先で
ひとりの売春婦が暇を潰している
今夜は
もう
客を取る気はないようだ
おれがそばを通り過ぎても
ハーイとは言わなかった
こちらに
だれを抱く気もないことを見て取っただけかもしれない
なんだかんだ言ってもあちらはプロだから
勃起の気配にはとても敏感なのだ
そう
いつの
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