いくらか反射する水。終わりのあとで/岩下こずえ
と、わざとらしくあるほかなかった
外をあたえた
あなたでないわたしを穿ってその孔から
呼吸だけ、していてほしかった
ゆくあても示せず
なんの約束もないくせに
小指だけ、もっとしなやかだった
べつの小指とひっかけてあるく記憶は
たしか
少女に似ていた、と思う。
なれなかったんだ、あなたに
わたしは
「識別してるよ。はじめから、あなたを
「おなじ言葉、かえしたらどうなる?
どうにもならない
が
けいぞくする
わたしたちの見わけはつかない
あなたは手のくるぶしをよけいにとがらせ
漏れいるひかりを
つかむそぶりをひるがえしたあと
おびただしいだれかとおなじように、くりかえし
ちいさく前髪をかきわけ
ひとみを乾かせる
雨あがりにしずく降らすハルニレの樹の
うろの目に
わたしたちの公園は
うずをまいて
下水する
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