いくらか反射する水。終わりのあとで/岩下こずえ
まつげはひかるけれど、それはあなたの水ではない
雨あがりのドライアイは
公園の風景を
焼きつけるしずかな鉱石のように
まばたきをしない
「むかし、どこにいきたかったのかとか、
ほんとうに思いだせるわけない。
「それならべつに、ここでいーじゃん。
どこでも、ここで、いやでも、
ゴールだよ。
桜色のリボンが切れたんだ。ポニーテールの
きみが髪をおろし、世界を遮蔽した
しんじゅんや、拡散が
育つことだとしったから、手はいつも、拒むように
小刻みにふるえた
そのかたちなら、わたしのいびつな骨とでも
脅えた小隊みたく
せなかをあわせられる気がしてたんだ
「過負荷の日記
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