幼馴染/薬堂氷太
 
初めて貰った時は戸惑いました

「何かしら言わなくては」という責任感で
僕の肌にまとわる空気が ぴしゃり と音を立てて緊張したのを覚えています。

何時も胎の底に すとん と落ちて気分をなだめる煙草の煙も
だんだん胸を押し殺す病の味に変わってゆき

僕は貴方の前で初めて
相槌しか打てない木偶の棒になりました。


今にも雨が降りそうな曇天からは 人を吸い込み攫ってゆきそうな光の柱が一つだけ降りています


地上と空を結ぶ絆の様な柱
今思うと それが壊れるのを 僕は恐れていたのかもしれません


その脆弱な朝の光が 脆弱な僕に同調するように照らします

嗚呼
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