みなもの月/月乃助
 
 季節の ものがたり
 訪れる ひき潮の音のすでに秋



「「 髪をきるように
   ばっさりと 一つの季節は終わり
   ここに、誰もいなくなって
   それでも 次の遊子たちは、もう
   ちいさな わらいごえをあげていらっしゃる
                 


 静けし
秋色の言の葉は、どれも
詩の子どもたち、 

ですから


 わたしは、
一つになる
誘惑にまけてしまうのです
 

 秋を身ごもり

 秋をやどす


 自立性をたかめた 抑圧された季節の元型らしきものを
わたしの色をそえた赤子 として
生みお
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