某勉強会での記録メモ/中川達矢
」と、とぼけるように自己矛盾を述べる。これは、特に第五詩集で見受けられる詩を書く者としての私への苦悩が、そのとぼけ、ユーモア精神によって軽減化されている。
「四千の日と夜」田村隆一
「自戒」吉原幸子
・両者の詩を書くスタンスのちがい
→田村は実に強い言葉・思想・倫理感を伴っている。特に「われわれ」という人称も気になるところで、「見よ」「聴け」「記憶せよ」といった表現からも毅然とした態度を感じる。
→吉原はもう少し「私」に寄りそった個人的態度を強調している。「死にたいと書くことで死なないですむのなら詩はクスリみたいな役に立つ」と、一瞬安堵するような表現があるが、その次の行には「けれ
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