恋人になった理由/八男(はちおとこ)
夢を見ていた
私は宴会の幹事をしていた
そして値切っていた
少しでも安くなったらと
夢の中での値切りは
目覚めた日 もっとも現実的な事が起こる予兆で
やっぱりだった 死んだばあちゃんに出会ってしまった
あら 寝室から出ると そこに
以前よりも まして白髪で
どこから準備してきたのか 棺桶から出てきて
羊羹をかじっていて まぶした砂糖がぼろぼろと
こっちを見て 子守唄を歌ってくれている
そして急にどんどん若くなっていき
しまいには きれいな 女になった
いま その女と 旅をしている
行く先 行く道
どこにでも 桜が まんかいだ
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