ワレモノワレワレ (生体反応の設計)/乾 加津也
死者のわれわれはいつまでも飢えている
―――生者のわれわれはいつまでも貪っている
こぼしたビスケットの粉も
花壇に色めく丸いオブジェが
このワレワレ しかたのない
われわれ
どこまで気絶してもアパートの部屋番号
どこまで驚いてもビルディングの窓鏡
「おお WARE WARE
そうだ WARE WARE」
これからの誓い? 小指なんて すぐに引きちぎられてしまうわ
未来への封印は接吻で? もろい雷ばかり鳴りやがる
「もしもし われわれはワレモノ」
「もう コトバも見えないほど
カタチも聞こえないほど」
とおい とおイ とオイ トオイ
ワレモノ ワ・レ・ワ・レ
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