題名が決まらないまま/左屋百色
葉な
んて半分でも詩はかける。ホチキスに
右手をかまれた。それも気にするな。
左手でも詩はかける。鉛筆と消しゴム
は書いて消してをくり返す。窓の向こ
う側に私が見つけたのは透明な花でし
た。詩にならない言葉ならべてひとり
眺めていました。なぜ君はそんなにも
すぐに表現できるのだろう。花びらの
一枚一枚を言葉で咲かせられるのだろ
う。私が見つけたのは君の空白でした
。ハサミでそれを切り取り花びらをつ
くった時ボールペンが生き返った。私
は机の傷をボールペンでなぞった。
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