霜・秋・変/高原漣
 
さやさやと雨、ふっている

地のにおい、そわそわと匂う

ふるごとに、秋、ふかまって

曼珠沙華のあとに金木犀

ああ、こんなにもすてきな季節

甘やかな死にさそう

かれおちた葉が

潰れた木の実をおおいかくす

もうじき、すべて白くつつまれる

やさしい冬に

抱かれて、いのちはまどろむ
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