身辺雑記より(八)/たもつ
 


右耳の穴から垂れ出した
一筋のサンショウウオがてろりんと着地し
長い尾をぞろびかせながら水の
水のある方へと歩いていく
一方僕といえば
家の前に横たわる幸福な犬の死体を幸福な面持ちで片付け
町内会で配られた門松の絵を飾ったりしている
買いそびれたものたちを買って
まもなく君が帰ってくる



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