時の端っこ(米寿を迎えて)/信天翁
 
(青年期)
にびいろの空にぶら下がっていた
的をはずれた青い春の無駄矢が
(中年期)
秒針がブツブツしわぶいていた
赤い夏の夢を償却できた気楽さで
(高年期)
白い秋の月が窓を覗きこんでいた
おらの瞑想の深度はいかがかと
(老耄期)
黒い冬の舞台は緞帳が降りかけている
ザ・エンドの立札の米俵を袖に放置して
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