九月二十七日 快晴 24℃/
塔野夏子
もしふと世界が終わるならば
それはきっと
こんな澄んだ青い空の九月の日だろう
そんなことを思うと
なつかしさという古い抒情が
僕らを草のようになびかせてゆくね
小さな桟橋 きらめく湖面
僕らは今ここにこうしていて
とても満ち足りていて とても空っぽ
もし今ふと世界が終わったならば
ここでこうしていた僕らの気配は
どこかになつかしく ふわりと残るかな
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