痛みと妄想と肉体の輪舞命題/北街かな
慟哭しながらガラスを割り続けていたら部屋がとがった粒子で埋もれていきました
ばらばらのぱらぱらなガラスのなかに飲まれていたら皮膚が血だらけになっていたのです
だがそれでも動けないというのか
平坦な窓から見える電柱には世界を知ってるかみさまがとり憑いているさ、
どこまでも伸びて宇宙に達し、いずれは月にも届くのでしょう。
電柱を抱きしめていたら月世界を横切って
小惑星帯を突っ切って
木星の磁気圏に頭をやられ
好きです地球が好きです生きることが好きです私の肉体が生きていることが大好きなのですと
思ってもいないはずのことを口にした
胃液は大海であり
腸は森林であり
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