永久という陳腐な言葉が/
岸かの子
丘を越え 町を走り
海原にて待つ かの人の元へ
駆けてゆく 駆けてゆく
後ろを振り返る事も無く 澱む間もなく
陽が差すあの海岸の
かの海岸の かの人の元へ
涙、未だ止まらずに
思い出が溢れかえる言葉も発せない程に
息が出来なくとも 構わずに
悲しい目をした かの人の元へ行き
永遠の口づけを交わそう
永久という陳腐な言葉が似あいの
死に損ない達へ
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