やわらかな五百羅漢/
灰泥軽茶
雨や風にさらされて
月日が過ぎて
崩れては消えてゆく
光と影の浮き沈みで私に語りかけ
三味線を鳴らし唄うのは石の像
笑っているのか
哀しんでいるのか
なんだろう
くすくすとささやく
たくさんの石の像に囲まれて
私は身体の中心が暖かくなり
ぽうっと
可笑しさに包まれて
私のたましいは
ピンポン球が
浮きあがり踊るように
ぽうっと
良いバランスで私の中を巡りはじめた
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