砂情/ねなぎ
新築が進み
新たな
道路が引かれ
内陸へと
移住が始まっていると言うのに
未だ移転先の目処の立たない
廃棄されるべき
工場群を眺める
この街で
この海で
この地元の
土地勘があるという事だけで
就職先が決まった
ドライバーに
海から離れる事に
さして抵抗が無い事
そして
これから
土地勘の無い場所で
同じように
ハンドルを
握らなければ
ならない不安も
全て
流れるように
終わり行くのは
穏やかに
突然では無く
緩やかに
続くように
少しづつの
連なりのように
消えていく
流れていく
それは
[次のページ]
戻る 編 削 Point(2)