せわしない朝/草野春心
 


  朝がいそいでいる
  子の笑う声のような
  光たちを小脇に抱えて
  ガラスの球は真ん中から
  はっきりとふたつに割れた
  きみが急に
  うたうからだよ
  ゆうべ見た せつない
  夢が川の流れなら
  この朝に続いている
  きみが 笑う からだよ
  はじけて飛んだ水しぶきが
  みちばたの花を濡らした



戻る   Point(5)