たとえば九月みそかの/もっぷ
 
に日に盛んになっている
一流の腕、筆、そしてそう何が似合うだろう
色彩をつかさどる役目を引き受ける画材には何が

今日より少し前にカレンダーの数字をみながら
母国の北の里ではこの命も終わる頃合いと
がっかりしながら萎れていった花たちがある
大地に生きる逞しいはずの野生たちのことである

それでもまだ気がつかない様子をみると
秋はまるで勘違いをしている緞帳役者のようだ
終わったあとに地表の諸々は私をふり返ってなみだする、とか

違う違う違う実はいつも次、なのだ
冬よ、おまえも知るまいにと、何者かの未明のツイート

冬もまた気がつかないうちに弔われ散って消えてしまうだろう
いつも次、いつもだ。


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