時間を抱きしめる/
ブルース瀬戸内
決意を固めては崩し崩され
挙句の果てには疲れ果てて
そんな混沌から距離を置き
遠くに鎮座して威張ります
大田舎の少年は秋の夕方に
大都会で場違いに滑空する
トンボを見ては故郷を向き
空のにおいを思い出します。
トンボは何かをクンクンと
匂ってからすぐ飛びました。
空がオレンジに染まります。
空以外や現実や妄想だって
同じオレンジに染まります。
終わりのようなはじまりの
時間を少年は抱きしめます。
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