時間を抱きしめる/ブルース瀬戸内
アンドロメダ銀河内であれ
たとえオメガ星雲内であれ
大都会の水を飲んでみれば
大都会の味が分かるのだと
大田舎の少年は思いました。
大田舎の飲み方を駆使して
大都会の水を飲み明かして
これが大都会かと勘違いし
これぞ大都会だと人に勧め
その人がまた他の人に勧め
そんなことが延々と続いて
大都会の味が語り継がれて
その味こそが味オブ味だと
秩序の頂点に君臨したって
結局それが何なのかなんて
誰も分かっていないのです。
大田舎の少年は皆と同じで
現実に妄想を搭載したまま
現実に塗り絵をかましたり
妄想で現実を連れまわして
妄想に太い輪郭を描いたり
決意
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