ひとつ 指先/
木立 悟
ら起こした半身
枝に眩む
枝に眩む
遅い光を数え 数えて
曲がり角に積もるやわらかな層
かがやき伸びる飴の行方を
皆にこやかに追ってゆく
雨の朝に咲きながら
どこまでも陽を避けるもの
北へ北へ向くまばたき
白と黒の
重さの無い滴にひらく手のひら
いきどまりの径の
いきどまりを照らす灯
かたくまるい明るさの
その先のその先の暗がりで
指は指の羽を数えつづける
戻る
編
削
Point
(2)