月夜の晩、私は、河原の葦になってクレーターをなぞり/ホロウ・シカエルボク
鋭利な刃物で削がれたみたいに二十三夜目の月は欠けて、煮詰め過ぎたジャガイモのようなどろんとした色をしていた、シャーマニズムに傾倒するアマンダは香の立ち込める薄暗い部屋で観念的な詩文を綴っている、時折もぞもぞと発音しながら…彼女の鼻濁音は内耳に針が刺さるみたいにセクシーに届く、俺は草臥れていてただどんよりとソファーに横たわり、すべての出来事が無関係に展開されてはたたまれていくのをただただ眺めている、数ページの小冊子があちらこちらでてんで勝手に開いては閉じられているみたいだ、渇いた口の中に混じる繊維の正体は何だろう?きっと数時間前に顔を洗ったときに顔を拭ったタオルのものだろう…今この時指先
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