言葉の人形たち/まーつん
の明かりを頼りに
頬杖を突いて
記憶を手繰り寄せ
千の言葉を編み上げて
涙ぐましい努力の果てに
君は
紙から立ち上がる
平面から立体へ
君の全ての細胞は
文字に置き換えられ
声も立てずに囁いてる
それは
一人の哀れな男が
文字の連なりで再現した
手の届かない高嶺の花
言葉の人形
という訳さ
恋い焦がれる女に
声一つ掛けられない
この意気地なしは
しかし発明家でもあり
今夜 僕は
第二の君を創造した
ちびた鉛筆と
紙の切れ端を使って
気持ちが悪い?
虫唾が走る?
構いはしないさ
どうせ 君が 僕へ
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