夜明けまでの闇は果てしなく/ホロウ・シカエルボク
 


荒れ果てた夜を
隠された夜を
打ちのめされた夜を
くずおれた夜を


バラードがレクイエムのように
人気のない街角に流れて
霧に濡れた路上で
二度と開くことのない目を閉じる浮浪者


どぶ鼠はジャングルの兵士のように
夜の隙を駆け抜け
薄汚れたダイナーの
閉じた入口の脇に身を潜める
彼は確かに楽しんでいるように見える
自分の身の丈はそこだと確信しているのだ


もよおして公衆便所に入ったら
絵に描いたようなホモが激しく抱き合っていた
なので女子トイレの方を使ったら
年端もいかない金髪のショートボブの娘が

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