永遠の家/塩崎みあき
 
わり
人としての
形は
いつしか崩れ
人格は溶かされ
液体の様に
変容自在になる

永遠の
安寧
永遠の
平穏


遠くで


何かの信号が送られ
ある日
家は崩壊する

安寧は断たれ
平穏は砕かれ
永遠は放棄された


強く生きなければならない
(この口が囁く)


家から
救済してきた
3本の
メチルアルコールの瓶

蛍光灯の光をあびて
死んだ魚の目のように
白く濁っている

それでも
それがあたかも
使命
であるかのように
強く生きなければならない

強く
生きなければならない
死に向かって
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