軽口/コーリャ
 
くれた。マグマの海中クルーズ。サブマリンに乗って。透明な怪獣にも会いにいけるかもしれませんね。というと。 透明なねぇちゃんもおるがや、透明なデートや、服を脱がさなくていい、そもそも透明だから。といってみんなを笑わせた。

(街をそうように生きてきたから。これからもそうする。ぐるぐる回る。ひとつのコースばかり走る仮免運転の助手席で、プラスチックカップのなかの氷がいくつか溶ける温さにさだめられた。夏時間の熟した夕暮。ジャカランダの花冠の紫が、いろのある陽光に騙されて、桜色に変わり果てて、それが、夏なのに、並木道で、ゆっくりと、みずからちぎって落とす花占いを、窓から首をだして見上げた僕は錯覚しつづけ
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