賛歌/
壮佑
り
喉元に憑くニューロンを氷の舌で研ぐ 散ら
かった時間の魚達を砂漠に葬り 増殖する網
の目に溶けて行く世界を迫撃する
天幕の裏側で
子供達が
クスクス笑っている
凍原は静謐のうちに発火して 崩壊へと多
重に揺らぐアーキテクチャーの間を おまえ
の光跡が駆け抜けるとき 真昼の青空いっぱ
いに ディアスポラの星達が瞬き始める
そして
いま
湧き上がる群雲を掻き分けて
夏がやって来た
脈動する色彩の
跳躍する祝祭の
血よりも凶暴な夏だ
戻る
編
削
Point
(17)