賛歌/壮佑
 

喉元に憑くニューロンを氷の舌で研ぐ 散ら
かった時間の魚達を砂漠に葬り 増殖する網
の目に溶けて行く世界を迫撃する

  天幕の裏側で
  子供達が
  クスクス笑っている

 凍原は静謐のうちに発火して 崩壊へと多
重に揺らぐアーキテクチャーの間を おまえ
の光跡が駆け抜けるとき 真昼の青空いっぱ
いに ディアスポラの星達が瞬き始める

   そして
  いま
 湧き上がる群雲を掻き分けて

夏がやって来た

 脈動する色彩の
 跳躍する祝祭の

血よりも凶暴な夏だ




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