井戸の底/梓ゆい
 
繰り返す中に人生が始まり

いつの間にか、落ちてしまった・・・・。

(何かあるなら・何かするなら・生き残るよ・・・・。)

誰かの入れ替わりと

自分とが重なり合う刹那

鮮血で汚れてゆく

ウエディングドレスを洗う前に、微笑を返せば

「歩いてゆく。踏みつけてゆく。壊してゆく。」

足元の影が真紅になるまで

歩調のリズムを耳に

ほんの少しの唄がこぼれている。。

鮮烈な感情に鼓動が重なり合えば

足と呼吸が動く・動く・動く・・・・。

「唄うのは、楽しみを見つけたいから。」なのだと

語った二つの瞳は

遠くを見つめて

寂しさを隠した・・・・。








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