洗剤/
ボトルシップ
夜に虫が鳴き出して 少し肌寒い風が吹き始める
街のみんなはわざとらしく思い出したかのように
「寂しい」と呟く
僕は月の窓から覗く君の視線を気にしながら
新しい洗剤を買いに行く
白く清潔な泡が僕らの暮らしの隅々に溜まった
怒りというには大げさな苛立、
や、
嫉妬というには大げさな焦り
を
流していってくれるそんなイメージ
光なんだそれだけが
遊歩道ですれ違った斑の猫は昔の君によく似てた
明日は朝一番にシャツを洗おう
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