「人生」と言う名の美術館/創輝
 
か だからだろうか



 そんなこと思いながら道を進めば 特別展示 と書かれた看板を見つけた
 そこに行ってみれば 一枚の大きな絵が飾られている
 不思議なことに
 その絵は些細なものではないように思えた しかしきっと些細なことだったのだろう

「死」 と名づけられた絵
 僕はその瞬間に分かってしまった

 死というのは額縁に入れてあるらしい
 普段は良と悪という簡単な問題しか判ずることができないらしい
 なのに死と言うものだけは判じなければならないらしい

 毎日見つめるのは大変だから 特別なときだけの展示のようだ

 飾られた「死」に怯えは無い
 そこに
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