海に描いた反ジガゾー/
ただのみきや
深海魚が太陽を見る日
光のパレットナイフが
海鳴りの弦を切断する
青い狂喜で上塗りされ
それが比喩かも忘れて
人がひとり墜ちて行く
閉ざされた貝のように
白く饒舌な泡に抱かれ
記憶の浅瀬で蓄音機が
壊れたまま愛をなぞる
疼く新月の背中を泳ぐ
魚の群れは暁に爆ぜる
嵐を避けた旅人たちは
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