Ex2*飛ぶ、しずむ、飛ぶ、飛ぶ。/みけねこ
 
真昼なのに、夜でも夜明けでも黄昏でもない、気味の悪い明るさだった。

 何して遊ぼう? って、私はきみを見つめて、きみはわたしを見つめた。それだけだよ。思い出さない。嵐がやむまで、わたしたちは匿われてた。
 何処から? 世界から? わたしたちがあのとき持っていた刹那の、憂愁みたいな危うい幻想から?
 
 大丈夫、もっと見て、私を探して。ほら、空はちゃんと青いから、どんな嵐がきても、何も壊さないに決まってる。私とあなたの身体の境界線の向こうには、眩いばかりの金木犀と、澄み渡った空がちゃんとあるよ、たぶん五億年後もね、だから、いつもの校庭でずっと待ってるね。

FROM, さとみ

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