Ex1*街頭の明かりが光り輝く夜/みけねこ
の声が、いっつも聴こえていたらいいんだけど、ね、聴こえているかな?
もし、声も、音も、何にも聴こえないでいたら、それは本当に残念で、わたしは泣いているかもしれない。
空は青くて、なごやかで、遥かだ、砂浜の中でたたずんでいると、何もかもなくなってしまうことに気がつくから、もうひとりでいられない。だからこうして、きみに電話をしています。
今、潮風の吹く小さな港町にいます。わたしときみはそこで生まれて、ぼやぼやした海の光を眺めながら育った。海の反対側は丘で、目をこらすと、うっすら、山が見える。本当にうっすらで、晴れていないと見えないけどね。
だから私もじっとして、こうして、世の中
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