訳知り顔/栗山透
ときどき思うことがあるよ
君は全てを知っているんじゃないかって
僕らに今まで起きたこと
と これからの僕ら
が 君には見えてるんじゃないかって
そんなはずないって
頭では分かってるんだけど
ときどき思うんだ
でもそういうクールさを君は持っている
欲しくて手にしたわけじゃ
ないだろうけど
誰かに
申し付けられたわけでもないのに
なんとなく訳知り顔で
生きなきゃいけなかった
なんとなく大人のふりして
生きなきゃいけなかった
君のこと
守ってあげるべきだったんだ
僕は何にも分かっていなかった
愚かだって 自分を呪いたくなるよ
君が海で溺れていても
ちょっと考え込んでしまう僕がいた
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