世界が終わった朝/AquArium
 

きみの薄い膜がやぶれる理由や
まなざしが冷たくなっていくときを
ぼくは遠くで無視した

剥ぎ取られるベッドシーツと
せっせと身支度するきみの背
焦っていたね とても


 掻き消すように
 包んで離して吸い込んだきみを
 半分嘲笑い泣きながら
 ツナギトメル
 2012年さいごの朝
 ―ぼくが欲しかったのは
    ぼくが欲しかったのはそのままのきみ―


(同じベッドの中
 少し怖い寝息に刻む秒針の音は
 夜明けが恐ろしい速さで
 襲ってくるのを手助けした
 寝たふりをして噛み殺す、ぼくのいたみ)
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