世界が終わった朝/AquArium
 
きみの薄い膜がやぶれる理由や
まなざしが冷たくなっていくときを
ぼくは近くで見ていた

さいごに聞いたきみの笑い声は
お笑い芸人のコントだったね
年の瀬 新しく歩んでいく(はずだった)世界

(同じ屋根の下
 想うほどに傷つけあう夜は
 不快な暑さに魘されて
 確実に乖離していくすれちがいの愛
 正当化することで精一杯だった、ぼくらのうそ)


 なぜひとつになったのか
 相変わらず熱くなったきみを
 なんの疑問もなく受け入れながら
 ツナギトメル
 2012年さいごの朝
 ―ぼくが欲しかったのは
    許容できるおんなじ温度の細胞―



[次のページ]
戻る   Point(1)