空白地帯/ただのみきや
詩について論じたり
批評したりできる人たちが読むならば
詩とは呼んでもらえないような代物を
三年間で百八十くらい書き投稿してきた
それ以前にも書いてはいたが
誰にも読んでもらう機会がなかったのだ
多いか少ないかは比較の問題なので
自分ではどちらとも思っていない
わたしの詩(一応そう呼ぶ)は
事実と虚構の境目のない真剣な道楽だ
昔 海硝子や夜店のペンダント
壊れた玩具などで世界を変える爆弾を作ろうとしていた
屋根裏に潜んだ少年兵の成れの果て
まっとうな言葉で伝えられない心の細波を
比喩やイメージの投石で誰かの心にも起こしたくて
時には手製のパチンコで狙撃も試みる
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