生命の雲/まーつん
目を閉じると 闇の中には
たくさんの星明りがあった
神がばらまいた
宝石箱の中身が
白く刺々しく
輝いていた
それらは
まるで各々の
好き勝手な場所に
浮かんでいたが
やがて互いに
惹かれ合い
引き寄せられていって
一つの雲を
作り上げていった
暗闇の中に身を寄せ合い
互いの光を分け合って
視界の中で少しずつ
輝きを増していく
生命の雲
やがて僕は
気づくのだった
近づいているのは
彼らではなく
僕の方なのだと
それは引力の様に
抗いがたい 何かだった
身を寄せ合う 星々の光は
閉ざされた視界の中で
やがて一つに溶けて
暗闇を押しのけ
空しさを満たし
泡立つ潮となって
押し寄せてきて
僕は
光の中に
飲み込まれていく
光の中に
戻る 編 削 Point(6)