生命の雲/まーつん
 
マイノリティーよりマジョリティー
迷子になった一匹の魚のように
僕は ゛みんな ゛にあこがれていた

…゛みんな ゛…

なんて 素敵な響きなんだ

軒先に吊るされ
春の息に踊る
鈴の声のように


 (I)


群れ集う魚達が
銀の雲となって

ぐるぐる
ぐるぐると
回り続けている

その恍惚とした
流れるような動き

あっちへゆらり
こっちへゆらりと

碧い海の舞踏室を
気ままに往き来する


生命の雲


(?) 

ざるの隙間から洩れた
一粒の米のように

僕は
゛みんな ゛から
こぼれ落ちた

星雲
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