まる・さんかく・しかく/草野春心
 


  秋のはじまりの朝は
  意地悪なひとのようにつめたい
  鈴むしがどこかで鳴いてます



  ぼくはきょうも
  きみのことがすきで
  気持ちはかたちをくるくる変えます
  まる、
  さんかく、しかく
  小さな川のやさしい流れが
  水底で石をなでています



  まる、さんかく、しかく
  ねえ、きみのため
  ねえ、ひとつだけ、
  うたうことができたら



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