仮面とドクロ/ストーリーテラー
魚の骨が刺さったような顔
青く鋭い涼秋の憂鬱
仮面はかってに動き出して
僕は知らない女と饒舌になった
保健室のガーゼみたいなウイスキー
茶色く廻る酒場の喧騒
仮面は鍵を奪い去って
僕は嫌いな友を酔わせた
どこまでも伸びてやがて折れる鼻
黄色い妖精の無邪気な嘘
仮面は僕のわき腹をくすぐって
僕は僕を好きになった
なんだか怖くて仮面を外すと
誰も僕だとわからなくて
僕は骸骨と踊るよりほかなくなった
骸骨たちは憐れみながら、ケタケタ笑って
こぞって僕を取り合った
一番弱い骸骨が、小さな髑髏を持ってきて
僕は喉から魚の骨をとりだした
退屈に眠りつく
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