しろつめくさの海/みけねこ
 
かなしい

かなしい
のはしかたがないのだから
オレンジいろの実を植えよう
ひとつぶ

白い蝶がまい群集がなあに?あれはなあに?
ととう
ただしがきに埋めこまれたコスモスばたけの
透明なびんのなかに。

まるい
まあるい
それはいやじゃない。

形のないものを装飾し鞠をつくようにもてあそぶ

ひえこまないなまぬるさ
まじないはおとといかけた
ばかりだから今日はもう

めがさめて

潮騒とがらくたと右手をちゅうに
浮かしのぞきこむ
のぞきこめば
一秒あとのことがすぐにわかるよ
きっとすぐ


ぼくは

さくらが咲いたと思って
春が来たと思って
目をこすってこゆびをひきちぎり
(グロテスクなものがみたかったのだ)

いっちょうらの繭をまとって
あざむかれていたのだ

○という、かたち、完璧な。
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