女/はるな
 

それは 白い、暗い
水のような
(いえ、湖)
奇妙な、安らかな、
欠落で

なめらかに隆起したそれを、
両手でささげ持つようにして、
人びとは
名前をつけた

それが
何だったのか
もうわからないし
わかろうとする人もいない

立ちつくしてはひざまずく、
なみだする姿に
祈りと名づけたように

そのものは、
名づけるまえからもうすでに
かなしいくらい
女でした


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