親愛なる2003年へ/syuon
2003年 溢れる言葉を
適当に繋ぐだけで僕は詩人になれた
あれから10年
いろんなことがあって
世界も変わって
僕には
恋人が出来て 失って
仕事を得て 逃げて
適当に日々を消費することを覚えて
気がつけば
絞り出さなければ
言葉を紡げなくなっていた
あの頃
この目に映っていたはずの世界は
今より色鮮やかだっただろうか
それとも
もっと確かな輪郭を持っていたのだろうか
ねえ 君
それでもこの目に
世界は眩しく映っているよ
君と地続きの世界を
この目はまだ
映して いるよ
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