雫色のたそがれに/石田とわ
 


  日に焼けて今日が傾き茹るころ彼方ひがしに浮くしゃぼん玉



  ため息の踏み切り渡った向こうがわ夕日に染まるひぐらしの声



  たそがれを薄く流してくるりと巻いてフライパンな夜がはじまる


  
  約束の賞味期限が切れるのは あのお日さまが墜ちてきたとき



  こんもりと溢れそうで溢れない 表面張力今夜もセーフ





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