ヘブン/ストーリーテラー
 
色とりどりのラムネをほお張りながら
女は滑走路へと躍り出た
スラム街からの歓声は絶えず
雲はだるそうにぶらさがった
女は脱皮をはじめ
鈍く傷ついた鱗をひるがえす
天涯に門はそびえ
処刑台が執行を待った


淫蛇の蠕動は繰り返される

淫蛇の蠕道は繰り返されている

淫蛇の蠕道は繰り返される

淫蛇の蠕道は繰り返されている


反射するのは鱗か刃か
誰に裁かれるでなく
銀色の光は醒めえぬほど鋭かった


この夢にいてはいけないのだから。


垂直に断たれて 古傷を追い
優しさでまみれて 血と舞えよ


美しすぎる刹那


ラムネは弾け
ウイスキーの香る部屋に
女が独り

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