言葉たち/
栗山透
ノートのすみに書きなぐる言葉たち
隙間なく真っ黒になるまで書いてから
ちぎって筆箱に入れていった
ひとに見られないように
ぐちゃぐちゃに丸めて
すぐに筆箱は
切れ端でいっぱいになった
わたしは自分の部屋で
ひとつひとつ紙のしわを伸ばし
机に並べて読んでいった
たのしい言葉
ひどい言葉
かなしい言葉
なんでも書いてあった
わたしはキャンドルに火をつけて
すべてを燃やした
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