1シーン/1カット/梓ゆい
 
「配属日を、楽しみにしていた。」と伝えたが

戸惑いの滲む返答に笑う。

(まだか・まだか・・・・。)と

過ぎるとき

早送りのボタンを押して

恋愛映画の1シーンを流す。

(引き寄せる腕/重なる唇)

ループをする画面には

会えることの無い初恋の人。

増えてゆく(さようなら。)は

寂しさを残し

潰したセブンスターの空き箱と

一口分の生ビールが

いい忘れを物語っている・・・・。

「今度は、いつ来るのでしょうか?」

遠くの背中に

聞いてみた。。




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