半身壊れた野郎、ブン回せ言葉の鞭/ホロウ・シカエルボク
 
俺は一九七〇年に生まれた、鏡川の近くの、へその緒を雑に扱う産婦人科医の手によって―生まれてろくに息もしてないうちに肺炎にかかり、「あの子はもうダメだ」と皆に諦められた、俺はまだヒューヒューとか細い息をしていたのに…俺は生まれて数ヶ月で、すでに諦められていたのだ、自家中毒、栄養失調、風疹、はしか、おたふく風邪、それらすべてを四つまでに済ませてしまった、おかけでその頃までの写真は、すべて青白く、ガリガリに痩せ細った陶器のような身体だ、あの時、治療室の中でまだ目すら開かぬ俺はなにを見たのだ、あの時一度俺は死ぬことが決まっていたのか、なにを見ていたんだ、小さなベッドの上で、なにを見ていたんだ、冷たい無菌室
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